アイデアのヒント
評価:☆☆☆☆☆
「読んで楽しかった」と思える本でした。この本はアイデアを出せるようになるために書かれてある本ではありますが、コンビニとかで売ってそうな「ノウハウ本」ではありません。もちろん、具体的なノウハウも書かれており、結構使えそうではありますが、それよりも大切なことが書かれてあります。
アイデアはダイエットと同じ?
実は、アイデア本ってダイエット本に少し似ているところがあって、どれだけ有効な方法があってもそれが実行できなければ意味がないのです。逆に、実行さえできれば、アイデアもダイエットもうまくいくのでしょうけどね。
この本のすごいところは、この本を読むと「よっしゃ!今日からアイデアマンになるぞ!」「よっしゃ!実行するぞ!」と思えるところなんです。読むとなんだか勇気が湧いてくるのです。それもそのはずなんです。この本の作者は、アメリカの広告代理店で働いていて、しかも大学で7年にわたって講師の経験があるのです。見る人の心を動かす広告の仕事と教育者としての教師の仕事の経験が豊富なのです。だから、文章を読むだけで「やる気」を喚起するような本を書けるのでしょう。
例えば、本の最後ら辺にはこんなことが書かれています。
いま始めよう。重い腰を上げて動き始めたら、アイデアも動き出し、それまで想像もしなかったような世界が見えてくる。可能性が生まれる。障壁をなぎ倒し、困難を飛び越え、論理を超越できる。
何か広告にありそうな宣伝文句に見えますよね? こういう文章が所々にあって、元気や勇気をもらえるのです。
また、筆者は広告代理店の仕事をしているため、毎日のようにアイデアを考えなければいけません。だから、アイデアを出すためのノウハウも他の本にありがちな「精神論」とかではなく、結構初心者でも使えそうな具体的でシンプルな手法がいくつかありました。僕もいつか筆者の方法を使ってみたいと思います。
評価としては、星5です。もちろん、この本は少し古いので、ややありきたりなことも書かれている(特に最初の章には書かれている)のですが、「やる気」という最も重要なものを読者に提供するこの本は、文句なしの星5でしょう。
この本のおすすめな人は
アイデアマンになりたい人
アイデアを出す仕事をしていて、行き詰まりを感じている人
初心者向けのアイデア本を探している人
福本伸行のファン ※
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- 作者: ジャックフォスター,青島淑子
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おまけ
※ ちょっと脱線しますが、この本で書かれているあるたとえ話には、日本のギャンブル漫画の「カイジ」と共通する部分があります。
ここに幅30センチ、長さ30メートルの鉄骨があるとしよう。
わたしがその鉄骨を40階建てのオフィスビルのてっぺんに持って行き、通りの向かいにある別の40階建てのオフィスビルのてっぺんに渡したとしよう。
そして提案する。「もしあなたがここを渡れたら、100ドル進呈します。」
※カイジより
あまりにもカイジの設定に酷似していませんか?
最初は、カイジの作者である福本伸行がこの本の影響を受けたのかと思いましたが、後から詳しく調べてみると、カイジのこのエピソードが連載されたころは、この本はまだ日本では出版されてないようです。かといって、1990年代のアメリカ人(この本の作者はアメリカ人)が当時の日本のギャンブル漫画に詳しいとも思えません。(ANIMEが世界に広まったのは2000年代以降です。) ひょっとしたら、鉄骨の上をわたるというアイデアはどこか別のところにあって、カイジの作者もこの本の作者も同じアイデアをたまたま見たのかもしれませんね。