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「グイグイ」読まれる文章の書き方【ブログ・企画書】

日本総合研究所の設立者の文章術

書店に立ち寄ったとき、ふと目にとまった本がありました。「企画力」という名前の本です。中を少しだけ拝見し、面白そうだと思い購入しました。

 

筆者の田坂広志は、東京大学卒業後、アメリカのシンクタンクに勤務。日本に帰国後は日本総合研究所を設立し、さまざまなベンチャー企業を育成しました。

 

 

 

さて、シンクタンクの仕事では企画が命ですが、筆者には次のような厳しいエピソードがあります。

 

アメリカのシンクタンクで、企画書が不採用になった際、筆者はディレクターに企画書が採用されるように頼みに行きました。

しかし、ディレクターはなかなか「イエス」と言ってくれません。すると筆者は日本人的な発想で次のように言っていまい、ショックを受けます。

 

「しかし、彼は、かなりの時間を使って、企画書を書いてきたのではないか。もし、あの企画が不採用になるのならば、では、彼が努力して書いてきたあの企画書は、いったい、何なのか

 

しかし、このときディレクターから戻ってきたのは、耳を疑う言葉でした。

 

「ガベッジ」(garbage)

 

その一言でした。日本語で言えば「紙くず」という意味です。

 

筆者は、このエピソードからシンクタンクで働く覚悟を学んだそうです。それはつまり、採用されない企画書はすべてゴミなのだ、そういう世界なのだという覚悟です。

 

これは、企画の世界だけでなくブログの世界でも言えるのかもしれません。ブログ記事だって、理由はどうあれ、読まれなければゴミなのです。厳しいのですが、ウェブも企画と同様、不採用があるのです。

 

本書では企画が採用されるためのテクニックをいくつか紹介されています。ブログでは、そのすべてを書くことはできませんので、本書の中の「読まれる文章」の書き方を4つ紹介したいと思います。

 

 表紙の「タイトル」が勝負!

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企画書というものは、表紙のタイトルで、読み手の心を惹きつけられるか。それが勝負なのです。それは、人間同士の出会いに喩えれば、目と目が合う瞬間です。目と目があった瞬間に、相手の気持ちを惹きつける。その真剣勝負の瞬間なのです。

 

なぜ、筆者はタイトルが大事と主張するのでしょうか。それは、タイトルで好感を持たれると、読者は文章の大事なポイントを意識して読んでくれるからです。

 

人間と言うのは、不思議なもので、あまり興味を持たずに読んだ書類は、どのページも平板に見えてしまい、記憶にも印象にも残らないのですが、興味を持って読んだ書類は、なぜか、重要な箇所が目に飛び込んでくるのです。

 

これはすごく納得です。初めから興味があるものはやはり真剣になります。逆に、校長先生がどれだけ正しい発言をなされても、多くの児童は興味を持ちません。スタート時点で興味を持たれなければ、駄目なのです。

 

読まれる文章は自問自答のスタイルだ

 

タイトルでうまく読者を惹きつけることに成功しても、最後まで文書を読んでもらえなければ意味がありません。最後まで読まれるにはどうすればいいのでしょうか。

 

そこで、筆者は「自問自答」を使うことを推奨しています。

 

端的に言えば、企画書の各ページの「見出し」で「問い」を投げかけ、「本文」で「答え」を語るというスタイルです。

 

その「問い」が的を得たものであるならば、読み手は、「そう、まさにそれが知りたい」「なるほど、その問いは重要だ」といった興味を持ち、その「問い」に共感を覚えながら、そのページの下へと目を運びます。

 

シンプルな方法ですが、効果的なようです。確かに、プレゼンがうまい人は「問い」を出す人が多い印象を受けます。校長先生も「問い」を出しながらスピーチをすれば、うまくいくかもしれませんね。

 

読み手は、強い問題意識を持っていない!?

 

ではなぜ、筆者は「自問自答」が重要だと主張しているのでしょうか。

 

それは、自問自答のスタイルは、読者に「問題提起」ができるからです。これは裏を返せば、読者は問題をあまり意識していない可能性があるのです。

 

企画書というものの隠れた重要な役割は、「問題を提起すること」なのです。そのことは、シンクタンクやコンサルティングの業界では、しばしば語られることです。

 

ブログでも、特にアフィリエイトの場合、読者を説得させようと懸命に文章を書いてしまいがちですが、それ以前に読者は問題意識を持っていない可能性が高いと思います。

そこで、自問自答スタイルを用いることで、読者に問題を認識させれば、成約率が上がるかもしれませんね。

 

読み手中心の文章になる2つのポイント

さらに、筆者は、読み手の立場にたった文章を作る大切なポイントを2つ紹介しています。

 

①読み手は、一瞥して目に入る文字しか、読まない

 

この原則は、ある意味で「原則」というよりも「覚悟」です。誰もが時間に追われ、多忙を極めている現代においては、細かい文字や図表を目で追っていかなければならない企画書は、読み手に大きな負担を与えるものです。

 

だから、なるべく、文字の少ない文章で伝わる企画書を作るべきだと筆者は主張しているのです。

 

②読み手の思考は、立体的ではなく、直線的である。

 

しばしば、多くの方々が思い込んでいる錯覚があります。

図に表すと分かりやすい」

その錯覚です。

(中略)

図に表すと分かりやすいのは、せいぜい5つ程度のキーワードであり、あまり多くなると、逆に、記憶や印象に残らなくなります。

 

筆者は、図に頼らずに、なるべく直線的な物語を語るように主張しています。では、なぜそれが大切なのでしょうか。

 

その理由は、人間の思考というものが、我々が考えている以上に「直線的」だからです。例えば、昔から我が国では、「起承転結」で語ることの大切さが言われますが、それはこうした形で直線的に語られた「物語」は、分かりやすく、覚えやすいため、記憶や印象に残るからです。

 

つまり、図を使って情報を盛り込むよりも、直線的に説明する方が、かえって記憶に定着すわけです。例えば、スティーブ・ジョブズのプレゼンは印象に残りやすいですが、彼のストーリーは直線的で分かりやすいです。彼のように、直線的な話をする方が良いのかもしれません。

 

終わり

企画書は忙しいビジネスマンに提案するものなので、なかなか読まれません。あるいは読まれても斜め読みになりがちです。シンクタンクで身を置いた筆者は、そのような厳しい世界で、どのように「読まれる」のかを真剣に考え抜いたと思われます。

幸い、ブログはシンクタンクほど厳しくはありませんが、それでも筆者が主張する方法は試してみたくなりましたね。