ポケモンとは?
あなたはポケモンというゲームを知っていますか? これは任天堂が発売している人気ゲームです。世界的に売れており、2016年現在で「ポケモン」という名を冠したゲームは、全世界で2億7900万本以上売れました。
ポケモンはアニメも非常に人気で、子どもを中心にポケモンは爆発的に売れたのです。発売から20年たってもいまだに売れている数少ない子供向けコンテンツの1つだと言えるでしょう。
偏差値70以上の東大生がポケモンにハマる
しかし、実はこのポケモン。大人になってもプレイする人がいます。特に大学生を中心に、ポケモン大好きな20代というのは決して珍しくはありません。
中には、「どうせハマっているのは低レベルな大学生」と思う人もいるかと思いますが、東大生や京大生も普通にポケモン好きがいるのです。
【ポケモン特集号第17号(600円)】
— 東京大学ゲーム研究会 (@tga_official) 2015年12月29日
今年の駒場祭で行ったポケモン企画の結果やログ、そして『ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア』を用いた対戦において会員が考案したパーティ等を掲載しています。 #UT_TGA pic.twitter.com/fuZCVDhIG7
東大のポケモンサークル(ゲーム研究会)
春休み活動の映画鑑賞会が始まりました! pic.twitter.com/NJwqfNN7vL
— 京都大学ポケモンサークル (@kyotounivpoke) 2016年3月17日
京大のポケモンサークル
対抗戦vgc2016 ぽけてくvs 理科大 負けてしまいました。 pic.twitter.com/sjuFWT5Cq8
— 東工大poketech(ぽけてっく) (@poketech_) 2016年2月21日
東京工業大学のポケモンサークル
もちろん、一橋大、大阪大や慶応、早稲田にもポケモンサークルがあります。
世間で高学歴・高偏差値と言われている大学のほとんどにポケモンサークルがあるのです。僕自身、東大生のポケモンマニアに会った経験がありますから、本当にいるわけです。しかも、この傾向は日本だけじゃなくて外国でもあるようです。なぜ、このように高学歴がポケモンにハマってしまうのでしょうか?
そこで、このブログでは、なぜ高学歴な人でもポケモンにハマるのかを考えていきたいと思います。特に、ポケモンを一度もプレイしたことがない人にも理解できるように、説明したいと思います。
高学歴から見えるポケモンの2つの魅力
高学歴から見えるポケモンの魅力は大きく分けて2つあると思います。
①現実世界に即した理不尽で差別的な設定
②複雑な組み合わせで多様な戦略ができる
それぞれを順番に説明したいと思います。
①現実世界に即した理不尽で差別的な設定
ポケモンの18のタイプ
ポケモンにはタイプという設定があります。パズドラやモンストをしたことがあればイメージができると思いますが、モンスターそれぞれに与えられた属性です。
現在では、
ノーマルタイプ
ほのおタイプ
みずタイプ
くさタイプ
でんきタイプ
いわタイプ
じめんタイプ
こおりタイプ
どくタイプ
エスパータイプ
かくとうタイプ
ひこうタイプ
むしタイプ
ゴーストタイプ
ドラゴンタイプ
あくタイプ
はがねタイプ
フェアリータイプ
と18タイプあります。
そして、それぞれのタイプには強みと弱みがあります。
例えば、みずタイプはほのおタイプに強く、ほのおタイプに通常の2倍のダメージが与えられますが、逆に水タイプはでんきタイプに弱く、でんきタイプから通常の2倍のダメージを喰らってしまいます。
パズドラやモンストの属性の設定は、ほぼこのポケモンの影響を受けています。
ところが、ポケモンの場合、このタイプの設定は理不尽であり差別的です。
例えば、ドラゴンタイプの弱点は、こおりタイプとフェアリータイプの2種類しかありません。
しかし、むしタイプは、ほのおタイプ、かくとうタイプ、どくタイプ、ひこうタイプ、ゴーストタイプ、はがねタイプ、フェアリータイプと7種類も弱点があります。
パズドラと違ってポケモンの場合、このようなあからさまな差別があるのです。なぜ開発者はこのような差別的な設定をしたのかは分かりませんが、これはある意味リアルさを感じさせます。
現実社会や自然社会では、相性や強さの関係にバランスと言うものがありません。勉強もスポーツもできてしかも美人というのは必ずいますし、逆に勉強もスポーツもできず、顔もいまいちな人もいます。また、人類があまりにも強すぎて絶滅した動物は数知れません。ポケモンの設定はこのような現実社会に奇妙なくらい近いのです。
ポケモンの個体値(生まれつきの強さ)
さらにポケモンには、HP、こうげき、ぼうぎょ、とくこう、とくぼう、すばやさの6つの個体値があります。ドラクエなどのRPGをプレイしたことがあれば、イメージしやすいと思います。
これもあからさまな差別があります。極端な言い方をすれば、それぞれのポケモンは、あらかじめ決められた個体値(生まれつきの強さ)が設定されており、どれだけ努力してもその個体値を超えることができないのです。
例えば、ピカチュウの場合、次の個体値と決まっています。
一方、ミュウツーという強いポケモンは、このようになっています。
ミュウツーは、HP、こうげき、ぼうぎょ、とくこう、とくぼう、すばやさ、どれもピカチュウを凌駕しています。しかも、これは生まれつき決まっている設定なので、ピカチュウがどれだけ努力しても越えられない部分があるのです。
これがポケモンのゲーム上の設定なのです。夢も希望もありませんが、発売当初からある不思議な設定なのです。
②複雑な組み合わせで多様な戦略ができる
しかし、なぜそれでもポケモンは売れたのでしょうか。それは、ポケモンは複雑な組み合わせで予想外な戦略ができるからです。
2つのタイプ
先ほどまで、ポケモンには18種類のタイプがあると説明しましたが、実はタイプを2つだけなら組み合わせることが可能です。例えば、みずタイプとでんきタイプの組み合わせのポケモンがいますし、ほのおタイプといわタイプのポケモンもいます。だから、実際はもっと複雑なのです。
すると、不思議な現象が起こります。さきほど、虫タイプは弱点が多いと言いましたが、この2つの組み合わせの設定があると、むしタイプの弱点を大幅に減らすことができます。
例えば、はがねタイプとむしタイプの組み合わせだと、弱点はほのおタイプのみになるのです。それどころか、ノーマル、むし、はがね、くさ、エスパー、こおり、ドラゴン、フェアリーに対してむしろ強くなってしまいます。
だから、組み合わせ次第で弱点が克服できるのです。ポケモンでは実はむしタイプは必ずしも弱いタイプではなく、対戦で好んで使っている人もいるのです。
一人ひとりは弱いけど、2人で協力することで、互いの弱点を補うことは、スポーツやビジネスチームでもあるので、これもまた現実的な設定なのです。
すべてのポケモンが道具を持てる
実は、ポケモンは、それぞれのポケモンに道具を持たせることができます。これがさらに対戦で予想外な戦略ができるのです。
例えば、ポケモンは個体値が生まれつき決まっているため、すばやさを変えることができませんが、「せんせいのつめ」や「こだわりスカーフ」という道具を持たせると、すばやさをアップさせることが可能です。
ポケモンの道具には様々なものがあり、使い方次第では弱いポケモンでも大活躍することが可能なのです。
人間がライオンなどの動物と対決しても勝ち目はありませんが、道具を使うことでライオンと互角以上に闘えるのとよく似ていますね。
ポケモンには特性がある
ポケモンにはそれぞれ特性があります。これもポケモンの戦略を大きく変える要因になります。たとえば、「いかく」という特性を持っているポケモンは、対戦では相手のポケモンの攻撃力を下げることができます。「ふゆう」という特性を持っているポケモンは、じめんタイプのわざが全く当たりません。
だから、生まれつきの個体値が弱いポケモンでも、この特性のおかげでめちゃくちゃ強いポケモンになってしまうことがあるのです。
ポケモンと将棋のリアルな共通点
このように、ポケモンは理不尽な設定があるものの、うまくその理不尽さを克服できるのです。
そのため、生まれつき強いポケモンが必ずしも無双できるとは限りません。また、弱いポケモンもタイプ・特性・道具をうまく組み合わせて使えば、非常に強いポケモンに生まれ変わります。
これがポケモンの面白い点です。まだまだこのブログでは紹介しきれない設定(努力値、わざなど)がありますが、いずれもポケモンのゲーム対戦における複雑な戦略に影響を与えています。
これは、将棋などの頭のいい人が好むゲームにも非常によく似ています。将棋の駒はそれぞれ動ける範囲で制限がありますが、一番弱いはずの「歩」が強い「金」に生まれ変わる設定はポケモンとよく似ています。
そして、将棋では絶対勝てる戦略はありませんが、ポケモンも絶対勝てる必勝法はありません。だから、将棋と同様どこまで研究しても「終わり」が見つからないのです。
勉強や考えることが好きな東大生でもポケモンにハマるのは、やはりそれなりの理由があるわけです。ポケモンは、理不尽な設定があるにも関わらず、組み合わせ次第でユニークな戦略ができます。東大生でもハマるのはむしろ当然なわけです。
僕もたまにポケモン動画を見るのですが、「え?こんな戦略があったのか!」と新しい発見をすることが今もありますね。
参考
東大生がポケモン実況
ポケモン対戦初心者用の記事とは (ポケモンタイセンショシンシャヨウノキジとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
ポケモン対戦に必要な知識をまとめた記事。非常に長い。
終わり
以上、高学歴な人の視点から見えるポケモンの魅力を探ってみました。子供から見ると、ポケモンの魅力はかっこいいモンスターがいることや、悪い組織を倒すなどがあると思いますが、高学歴で頭のいい人の場合はもっと別の視点でポケモンが好きなわけです。
だから、東大生がポケモンにハマっていても必ずしも子供っぽいわけではありません。将棋にハマるのと同様、ポケモンの理不尽ながらも複雑な設定が、頭のいい彼らの心をつかんでいたのです。
やや自己満足な記事だとは思っていますが、ポケモンを知らない人にも何かしらの参考になればと思い、ブログに書いてみました。
もしも、ポケモンのゲームシステムに興味を抱いた人がいましたら、ポケモンを買って見るのもいいでしょうね。
あるいは、ドラゴンクエストモンスターズもおすすめです。これは、ドラゴンクエストのチームがポケモンのゲームシステムを参考に作ったゲームです。面白いんですよ。ドラクエのプレイ経験があるなら楽しめると思います。